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カントリーリスクの見誤りミス

カントリーリスクの見誤りミスのイメージ写真

程度の差はあっても、世界中のどの国・地域でも起き得るカントリーリスク。その説明や対策、失敗事例などを紹介します。

カントリーリスクとは何か?

カントリーリスクとは、海外進出する国や地域で起きる、政治・経済・社会情勢などの変化・変動や、自然災害も含めたリスク要因を意味します。全般に、イチ民間企業ではコントロールできないリスクであり、経済成長が顕著な新興国でも、急なインフレや金利上昇、外資規制の法令改正といったリスクは潜在的に存在するものと認識してください。

カントリーリスクの4分類

カントリーリスクについて、政治的リスク、経済的リスク、社会的リスク、自然リスクの4つに分けて説明します。

政治的リスク

アメリカでも共和党と民主党では政策が異なるもの。中国は一党支配体制であり、ベトナムも社会主義共和国。ミャンマーは民政化された期間があったものの、2021年に軍事クーデターにより政治体制が変わっています。政策から国家体制の変化まで、政治リスクには幅があります。

経済的リスク

国家レベルでも財政破綻するケースがあるように国債など対外債務の返済に行き詰まった国では、ハイパーインフレや通貨危機が起きるリスクがあります。経済成長率や消費者物価指数、国際収支など為替に影響する経済指標は、経済的リスクを知る要素の一つです。

社会的リスク

政情不安と関係する面もありますが、文化や宗教、歴史的経緯などに起因するのが社会的リスク。民間企業にとっては、テロの頻発や不買運動などが該当します。長年にわたってリスク要因がある国・地域もあれば、突発的にリスクが生じるケースもあります。

自然リスク

日本は地震大国であることがカントリーリスク。同様に、台風や洪水などが発生しやすいエリアが存在します。同時に、自然災害対策は現地の行政運営とも関係するもので、例えば水害なら治水対策がしっかりしている地域とそうでない地域では、同等の自然災害でも被害規模には差が出ます。

カントリーリスクは
なぜ重要か?

海外進出のきっかけが、日本経済の長期停滞だという企業は多々あるでしょう。いってみれば、これも日本固有のカントリーリスク。経済成長が期待できる国への海外進出でも、言語や法令の違い物理的な調査には限界があり、いつどこで何が起きるのか、予測できないリスクでもあります。

だからこそ、現地の情報に詳しい海外進出支援コンサルなど、外部パートナーの力を借りることが一つの解決策になりえるでしょう。

カントリーリスクによる
失敗事例

カントリーリスクにより海外進出で失敗した事例を2つ紹介します。政治的リスクと社会的リスクに分類されるケースです。

中国で使用権が
50年の土地から退去

中国で冷凍パン生地の製造販売をするために、2001年に海外進出した事例。もともと中国の食文化にはパン食がなかったものの、都市部ではマーケットが育ってきた状況でした。

当初、現地工場は50年間の使用権が認められた土地でしたが、周辺エリアの経済政策との兼ね合いで、退去せざるを得なくなったのです。結果、中国からは撤退しています。

※参照元:Glocal Solutions Japan公式HP(https://glocal-solutions.org/post-2249/

飲食FCで一度は
失敗したものの再挑戦

ラーメン店などの飲食店フランチャイズ事業を展開する企業が、2003年に香港へ出店した事例。現地店舗の運営はパートナー企業が担当したものの、味もサービスもクオリティが求めるレベルに達せず、2年ほどで撤退しています。ただし、その後に失敗の分析と対策を行って再度海外進出。パートナーを日系にした結果、売上・店舗数とも伸ばしています。

※参照元:Glocal Solutions Japan公式HP(https://glocal-solutions.org/post-2249/

カントリーリスクへの対策

予測が難しいカントリーリスクでも、海外進出のリスク対策としてなすべきことがあり、2つの要点にまとめました。

OECDの専門家会合や
格付会社R&Iの情報を利用

企業の海外進出に関するカントリーリスクを予見するために役立つ、情報・指標を調べておくのも必要な準備。OECDカントリーリスク専門家会合は各国の債務支払い状況、経済・金融情勢といった要素に基づく評価付けをしていますし、日本の格付会社であるR&I(格付投資情報センター)はカントリーリスク調査を請け負っています。注意すべき点を把握するのに有効です。

貿易保険や為替予約を使って
リスクに備える

もしカントリーリスクに起因するトラブルが起こってしまった場合の対策として、損失をできるだけカバーする方法を紹介します。カントリーリスクも含めて海外取引で利用できるのが貿易保険。政府出資の日本貿易保険や民間企業の保険商品もあります。輸出による海外進出なら為替予約もトラブル対策のひとつ。為替変動への備えです。

カントリーリスクという負の要素も
調査・対策を

日本国内のみでビジネスをしている企業でも、急激な円高円安が起きれば経営状況には悪影響を及ぼしかねないのがカントリーリスク。これから海外進出しようという企業にとって、カントリーリスクをすべてカバーできるような対策はないものの、チェックすべきデータやトラブル対策となる方法はある。

海外進出が失敗に終わらないように、カントリーリスクによるダメージを軽減するには、現地のローカル事情をできるだけ綿密に調べることが何より大切。経済の成長性や進出のしやすさと合わせて、カントリーリスクという負の要素もエリアごとの詳細を把握しよう。

調査をするためには、自社のノウハウのみではなく、現地に詳しい海外進出支援コンサルに頼ることも視野に入れてほしい。このサイトでは、各国の情報や海外進出支援コンサル会社についても紹介しているので、あわせてチェックしてほしい。

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